OPPOから小型フォルダブルスマートフォン「Find N」が発売された。
僕はフォルダブルスマホがとにかく好きで、タブレットとスマホを同時に持ち運べるという普通のスマホにはない魅力がめちゃくちゃ気に入っている。
今回出たFind Nは、折りたたむとiPhone13 miniくらいの大きさで、開くと7インチのタブレットになるというもの。実際の使い勝手はどうなのか、しっかりレビューしていく。

- 滑らかで自然な折りたたみが可能
- Snapdragon 888搭載
- 5000万画素トリプルカメラ搭載
- サブ画面は60Hz駆動
- 防塵防水規格なし
OPPO Find Nはこんなスマホ

- OPPOから発売された新型折りたたみスマートフォン
- 開いたときは7.1インチのタブレット・閉じるとiPhone13miniくらいの大きさに
- SoCはSnapdragon888
- バッテリー4500mAh、33W急速充電
- 日本発売予定はなし
- お値段7699元(約13万8000円)から
現状グローバル版や日本版の予定はなく、中国版のみ。
OPPO Find Nのスペック

SoC | Snapdragon 888 |
メモリ・ ストレージ | メモリ8/12GB ストレージ256/512GB |
ディスプレイ | 閉じた時:5.49インチ、FHD (1972×988) フレキシブルAMOLED,60Hz開いた時:7.1インチ、WUSXGA (1792×1920) フレキシブルAMOLED, LTPO,120Hz |
外カメラ | メイン:5000万画素 超広角:1600万画素 望遠:1300万画素 |
バッテリー | 4500mAh |
オーディオ | ステレオ |
生体認証 | 指紋/顔 |
サイズ | 約132.6 x 73.0 x 15.9mm |
重量 | 275g |
価格 | 8GB + 256GB: 7699元 (約13.9万円) 12GB + 512GB: 8999元 (約16.2万円) |
これだけ充実したスペック構成に対して、折りたたみスマホの中では比較的リーズナブルな価格となっており、このタイプのスマホを求めている方には是非オススメしたい一品。
OPPO Find Nの外観

まず届いてビックリ。Z Fold3の箱の2倍くらいあると思われる。
専用ケースだけ入っている箱と、本体や充電器が入っている箱で届いた。ケースは初回特典なのでそこは注意。

- 説明書一式
- 保証カード
- USB Type-Cケーブル
- 電源アダプタ
- SIMピン
細部のこだわりもスゴイ。開けると同時に傾斜がつく。OPPOはこういう地味な部分も手を抜かないメーカーということがわかる。
数万円高いGalaxy Z Fold3の箱は薄くてお粗末なものだったから、値段が安いFind Nでこのクオリティなのは感服。

Find N本体。背面ディスプレイは5.49インチ、FHDフレキシブルAMOLEDで、iPhone13miniとかなり近いサイズ感となっている。
本体カラーはホワイトの他にブラック系と青系カラーがあり、ブラックはつや消しマット。最近白いガジェットを集めるのにハマっているため、今回は白にしたが、かなり正解だったみたい。

こんな感じで結構ツヤツヤしているが、指紋や汚れは光を当てないと全くわからない。
裸運用もできそうだが、シルバーのフレーム部分が鏡面仕上げなので傷や凹みが超目立つので、ケースに入れて使わないといけない。
Galaxy Z Fold 3はヒンジ部分以外全部マット仕上げで余裕で肌が運用できたのに…。

ヒンジに関しては、ロゴが入っている真ん中部分だけつや消し仕上げ。ここらへんのビルドクオリティは高い。

ちなみに、付属していたケースはクオリティがマジで高い。背面はおそらくフェイクレザー?だと思われ、触り心地が絶妙に良い。
軽量なので装着しても違和感なく使え、ラバーも付いているので外れにくい。これが無料で付いてくるのだから驚きだ。クリアケースと比べて何倍も嬉しい。
ただ、落下させてしまったので傷がついてしまった…。買えるのであればもう一度買い直したいところだ。
Find Nはしっかり完全に折り畳める構造

本機はヒンジの設計にも力が入っており、OPPOは「人体の関節と同じようにスムーズに機能する」とのこと。
50~120度の間で画面を立てることもできるとし、ディスプレイの折り目やどうしても生まれてしまっていた隙間などの改善が施されているようだ。
見て欲しい。Find Nはしっかり隙間なく折り畳めるのだ。

Galaxy Z Fold 3だと完全に折り畳めるわけではなく、こんな感じで隙間が生じる。折りたたみスマホと謳っているに、不完全な折り具合。
ヒンジに水滴のような“ため”を作り、その部分にディスプレイを巻き込むことで、折りたたんだ際にあたかも本やノートのようにピタリとディスプレイ同士がくっつくという構造のようだ。
隙間からホコリなどが入るのを防いでくれるため、隙間はないほうがありがたい。
開くと7.1インチのタブレットに。

開いたときのディスプレイは7.1インチ。7.6インチのGalaxy Z Fold3に慣れていると小さく感じてしまう。
こちらのディスプレイがメインなのだが、WUSXGA (1792×1920)フレキシブルAMOLEDを搭載している。120Hzにも対応しており、スペック的にはかなり良い。

横幅が長いので片手持ちはギリギリ。ただ、僕の手は小さい方なので他の方であればもう少し余裕を持って持てるだろう。
パンチホール式のインカメラのため、存在感はかなりある。
Galaxy Z Fold 3とFind Nでは何が違うのか?
Samsungから出ている折りたたみスマホ「Galaxy Z Fold 3」を気に入って愛用していたのだが、この度Find Nを購入したことにより、手放すことになった。
どうせなら比較していきたい。
閉じたときは圧倒的にFind Nの方が使いやすい

閉じたときのサイズ感は以下の通り。
- Find N:5.49インチ
- Z Fold3:6.2インチ
画像を見ると一目瞭然だが、Z Fold3はかなり縦長だ。Find Nはいかにも小型スマホって感じで、サイズ感的にはあまり違和感なく使えそうな気がする。
Z Fold3は横幅がスリムなので持ちやすいが、縦に長過ぎるのでなかなか上に手が届かない。お世辞にも使いやすいとは感じなく、個人的には閉じたときの使い勝手は最悪だと感じていた。

Find NはiPhone 13 miniと似たサイズ感なので、使いやすさは抜群。手も楽々届くし、横幅もある程度あるからアプリ表示が変なことにならない。

しっかり上の方まで親指が届くので、片手操作も問題なくできる。背面にバンカーリングでもつければ更に操作がしやすくなるだろう。
コンテンツ消費はFold3の方に分がある
ここからはシーン別にZ Fold3と比較していく。
YouTube

両者開いたときはこんな感じ。僕はコメントを見ながら動画を見るのが好きなので、かなりこの状態で使用している。
Fold3の方が動画画面が大きいし、横幅的にも持ちやすいので、使い勝手はFold3に分があると感じた。

そのまま全画面にすると、Find Nのほうがわずかに表示は大きい。ただ、この程度の差をどう考えるかだと思う。
個人的には大して変わらないように感じるし、全画面で動画を見ることはあまりないから微妙と感じる。

Z Fold3を横にすると、差は感じる。横に回転させる手間はあるが、少しでも大画面で見たい場合はFold3の方が良いだろう。
書籍
まずはKindleで比較してみる。

Find Nであれば開いた状態でこの表示量。Z Fold3だと横に回転させる必要があるので少し面倒ではある。
画面サイズに差はあるが、これに関してはどちらでも良い気がする。

Kindleアプリで漫画を表示させる場合は、Fold3の方が優勢。
見開きで表示できるのはFold3で、Find Nだと1ページずつしか表示できない。ちなみに、「Google Play Books」の方だと見開きで表示できるみたいなので、アプリの最適化不足だと感じた。
追記:パンチホールの設定より、Kindleでも見開き表示ができます。

となりのヤングジャンプのサイトでは見開きで表示できる。

画面サイズが違うので、Z Fold3と比べると若干表示領域は狭いが、そこまで気にはならない?

Z Fold3は開くと縦長になる分、ツイートがより多く表示できる。
Find Nは横に長いため、Z Fold3と比べると視点移動が多くなるので読みにくい。ちなみに、デフォルトの文字設定だと大きすぎて情報量がかなり少なくなる。
僕は開発者オプションや他アプリから文字サイズなどを小さくしているので、まだストレス無く使えている。

閉じたときはZ Fold3の方がわずかに情報量が多い。
Find NはiPhone 13 miniと同じような使い勝手なので、閉じた状態だとFind Nに分があるだろう。
ゲーム

縦型ゲームのウマ娘だと、Z Fold3の方がより快適にプレイできる。
Find Nだと画面を回転させる必要があるし、片方のスピーカーを手で塞いでしまうので、ちょっと微妙。

横型ゲームのガーディアンテイルズだと、Z Fold3の方がプレイしやすい。

Find Nだとパンチホールが干渉しているのがわかる。Find N正方形に近いサイズ感なので、表示的には横長のZ Fold3の方が向いているだろう。
僕はFind N発表当初、「開いたときに横長なら、漫画や動画にゲームとの相性もいいんだろうなぁ」と思っていたのだが、実際使ってみるとFold3より劣る事に気がついた。
見開きで表示ができるシーンが少ないし、ゲームに関しては比率的に表示が乱れることがあるので、コンテンツ消費で選ぶならFold3だなと感じる。
折り目の比較

ご覧の通り、Fold3ではしっかり折り目が確認できる。実際触ってみると凹んでいるのがわかるのだが、特に操作に支障をきたすわけではない。
ただ、折り目があるとなんとなく不格好なのは否めない。

Find Nであればこの通り、全く見えないわからない。触ってみても真っ平らで、引っ掛かりを微塵も感じられなかった。
数年前から改良を重ねて開発しているだけあって、端末自体の完成度は素晴らしく高い。
OPPO Find Nのカメラ性能はいかに

背面にはトリプルカメラが搭載されており、構成は以下の通り。
- 広角:5000万画素 (IMX766)
- 超広角:1600万画素
- 望遠:1300万画素


フード写真では2倍望遠を多用するのだが、粗さもまったくなく、非常に使いやすい。

色味のバランスもよく、解像感もしっかり感じ取れる写真に仕上がる。



ある程度の光量があるシーンだと、ノイズも目立たないような写真が撮れる。
2倍ズームでも特に粗っぽくないので不満はなかった。メリハリも効いているため、とりあえずでシャッターを押してもそれなりの写真に仕上がるだろう。
OPPO Find Nの使い勝手をチェック
厚みはあるがさほど違和感なく使える

OPPO Find Nは厚み15.9mmと、そこそこある。
13miniのようなサイズ感なのは良いのだが、スマホ2台分の厚みのため、ポケットに入れたときはそれなりの存在感があるだろう。
重量は約275gと重め。これはフォルダブルの大きな課題だと思う。厚みもあって、持ったときはかなりずっしりと感じるので、日ごろ軽いスマホを使っていると受け付けないかもしれない。
指紋センサーの反応は良好。少し押しにくい

Fold3の指紋センサーは側面の真ん中の方にあったので、持ったときに親指がジャストで触れるかんじだった。
ただ、Find Nでは少し上の方にあるので、僕の小さめの手だと少し押しにくく感じる。また、音量ボタンが反対側の側面にあるため、閉じた状態でのスクショが結構しづらい。
かなり小さなことだが、毎日使っていると意外と気になるものなのだ。

速度むっちゃ速いです。
画面分割


大きな画面を分割して2つのアプリを同時に表示することが可能。
左でYouTubeやTwichを流しながら、右側でTwitterを表示させる…といったことができるので、なかなか便利。
ジェスチャーで瞬時に立ち上げることもできるし、配置を記憶させることもできるので、使い勝手も悪くない。
バッテリー持ち(120Hz常用)
Z Fold3と比べるとバッテリー持ちはわずかに向上していると感じた。
サブディスプレイとメインディスプレイは6:4位の割合で使っているのだが、Z Fold3だと1日ギリギリ持たない…という感じだったのがFind Nでは1日は持つようになった。
SNSや動画視聴中心で、時折ガーディアンテイルズやクラロワを挟むといったスタイルでも、特に不満なく使える。ただ、決してめちゃくちゃ良いわけではないのでそこは注意。



急速充電だと1時間かからず満充電できます
Galaxy Z Fold 3とFind N、選ばれたのはNでした。


開いた状態だと確かにFold3の方が迫力もあるし、よりコンテンツ消費に向いている。
ただ、閉じた状態の横幅がFind Nの方が理想。普通の小型スマホと遜色なく使えるという魅力が僕にとっては大きかったのだ。



Fold3ってリモコンみたいで使いにくいんですよね
また、バッテリー持ちや充電速度、本体の質感にカメラ性能…etc、色々総合的に判断した結果、Find Nの方が勝っている点が多かった。というわけでFold3を売却するに至った。
総評


- 閉じた状態のサイズ感が素晴らしい
- 充電速度はそこそこ速い
- 価格が安い(2023年の今だと大体13万円くらい)
- 質感高め
普段はiPhone13miniのようなサイズ感で使いつつ、ふとしたときに7インチのタブレットとして使えるというのがFind Nの特徴。
フォルダブルの課題であった「値段が高い」「折り目」「閉じた時の使いにくさ」をうまい具合に解消しており、全体的な完成度としては申し分ないと感じる。
中国では人気すぎるみたいで、品薄とのこと。日本国内で買うとなると、Aliexpressなどの海外サイトなどしかないが、一応買えるので興味あればチェックしてみて欲しい。